この記事はこんな人におすすめ!
- カホンの演奏方法が知りたい
- カホンはどんな音が鳴るのか知りたい
基本の演奏姿勢
カホンは楽器自体に座って演奏するという、少し特殊な奏法の楽器です。
普通に座るだけでもOKなのですが、カホンを楽に良い音で演奏するための座り方のポイントがあるので、詳しく解説していきます。
座る位置
打面を前にして座ります。
打面とはネジ留めされた面のことで、叩くと中の響き線が鳴る面のことです。
ネジ留めされていないカホンも稀にありますが、その時は薄い板が張られている面を前にして座りましょう。
座り方
足で打面を隠してしまわないように、足を開きます。
太ももが、打面の角を隠してしまわないくらいがベストです。
足が開きにくい場合は、座る位置が前過ぎるので、少し後ろにズレましょう。
ここから下は「良い音でカホンを鳴らすため」「楽に演奏するため」の姿勢です。
身長の関係で難しい方もいるので、できる方のみ挑戦してみてください。
カホンの前脚を浮かせる
右足か左足(または両足)でつんのめるようにして、カホンの前を1~2センチ浮かせます。
これが基本の姿勢です。
カホンの前を浮かせる理由は2点
- 音を豊かに響かせるため
- 演奏しやすい姿勢を作るため
それぞれ詳しく説明します。
音を豊かに響かせるため
カホンは地面に設置する楽器です。
叩いていただくとわかりますが、結構地面に響きます。
地面に響くという事は、音が地面に逃げてしまっている。ということ。
これを少しでも和らげることで、カホンの音を豊かに響かせることができるようになります。
(ライブ演奏時は特に)音を前に届けやすくなります。
演奏しやすい姿勢を作るため
初心者の方は特に、自分の手がどの位置を叩いているのか、自分の目線からはわかりにくいです。
打面が斜めだと、手の位置を目視できるので、正しい位置を叩くことが簡単になります。
さらに、カホンの前を浮かせたときと、浮かせていない時で、腰の曲げ具合を比較してみましょう。
浮かせた方が、打面が斜めになるので、楽な姿勢で低音まで手を伸ばすことができています。
腰は反らさない・曲げすぎない
カホンは、打面の上部1/3くらいのエリアだけで演奏するのが一般的です。
カホンは打面が広いので、「低音は下の方を叩かないと!」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
なので、腰を曲げすぎる必要はありません。
反対に、反り腰気味の方はどうしても腰を反って胸を張ってしまいがちですが、腰痛の原因になるので、可能な限り腰が反らないように注意しましょう。
ベストな姿勢は、腰を反らず・曲げすぎず、軽く腹筋を使って、カホンの前を浮かせた姿勢をキープできるのが理想的です。
演奏時は、手を「つぼみ」の形に
それでは早速カホンを叩いていきます。
まずは演奏時の手の形から。
両手で小さなつぼみを作る形を作ります。
この軽く丸めた手の形のままカホンを演奏していきます。
手をべたっと平たく伸ばす形ではないので注意してください。
カホンには3つの音がある
カホンは大きく分けると3つの音でリズムを作っている楽器です。
- 高い音
- 低い音
- 小さい音
この3つの音を組み合わせて様々なリズムを演奏しています。
それでは1つずつ叩き方を説明していきます。
と、その前に注意点です!
それでは一緒にカホンを叩いてみましょう♪
「高い音」の鳴らし方
叩く位置
打面の裏側にある響き線を響かせて音を鳴らすので、響線の表側を叩く位置です。
カホンによって違いはありますが、ほとんどのカホンが、左右の手の間が5~8センチくらい隙間ができる位置がベストです。
手の当て方
画像の線の部分を打面と座面の角にぶつけます。
この時、指先の力を軽く抜いていてください。
すると、カホンに手をぶつけた衝撃で指先が打面をはじいて、音を鳴らすことができます。
叩いた後は打面から手が離れるようにしてください。
打面に手が付いたままだと音の響きが悪くなってしまいます。
この時、指同士は軽く閉じておいてください。
つぼみの形を保てていれば指先は軽く閉じられているはずです。
これをスラップ奏法と言います。
当サイトでは「高い音」「高音」というわかりやすい言葉で表現します。
高い音を演奏するときに注意したいチェックポイントをまとめました。
下に行くほど、意識することが難しい内容になっています。
いきなり全部を意識するのは難しいので、1つずつ意識しながら演奏してみてください!
「低い音」の鳴らし方
叩く位置
高い音を叩いた手の位置のまま、下に少しずらして…
打面の上部1/3の位置を指先が少し過ぎるくらいの位置で低い音を叩きます。
「低い音だから下の方を叩かないと!」というわけではありません。
逆に下過ぎると、良い音を鳴らすことができないので注意しましょう。
手の当て方
つぼみの手の形を作った時に、左右の手がくっ付いている部分(手の外周)を、打面に一度に当てることで低い音を鳴らします。
肘から下を、重力の力を使って、打面に水平に手を落とすようなイメージです。
叩いた後は打面から手が離れるようにしてください。
打面に手が付いたままだと音の響きが悪くなってしまいます。
この時、指先同士はしっかりめに閉じてください。
力を込めて叩きつけるのではありません!!
カホンは脱力感が非常に重要です。
変な力が入っていると良い音は鳴らせないし、手をリズミカルに動かすことも難しくなってきます。
低い音を演奏するときに注意したいチェックポイントをまとめました。
下に行くほど、意識することが難しい内容になっています。
いきなり全部を意識するのは難しいので、1つずつ意識しながら演奏してみてください!
「小さい音」の鳴らし方
高い音を鳴らすときの手の形・叩く位置のまま…
指先の腹を使って小さな音を鳴らします。
小さな音の力加減は…
お昼寝中の2歳児を起こすときくらいの力加減のイメージです。
小さい音を単体で鳴らすと簡単ですが、高音低音と組み合わせて叩くと難しい音です。
気付いたら小さい音が高音くらいのボリュームになっていた!という事が、最初のうちは多いので、「小さい音」はしっかり意識して叩けるように練習しましょう。
100%正しい叩き方はカホンにはありません。
ここまで、細かく演奏時の手の形をお伝えしてきましたが…
実はこの演奏方法が100%正しいわけではありません。
それはカホンという楽器の特性が関係しています。
カホンは歴史が浅い楽器で、奏法が確立されていない
カホンは他の楽器に比べて、まだ歴史が浅い楽器です。
現在も様々な形に進化している途中の楽器でもあります。
なので、他の楽器のように「基本奏法はこれ!」という気まりがまだありません。
このブログでお伝えしている奏法は、まだ確立されていない中で、カホン奏者や打楽器奏者の方々がよく使用している奏法をかみ砕いて紹介しています。
”手の形は千差万別”みんな同じにはならない
当たり前の話ですが、手の形・大きさ・分厚さはみんな違います。
同じカホンを同じ叩き方で演奏しても、手の形が違えば、良い音が鳴らないことは多々あります。
なので、今回お伝えした演奏方法・手の形・チェックポイントをベースに、自分の手の形に合った演奏スタイルを見つけていくことで、カホンの正しい演奏方法を身に付けることができます。
まとめ:カホンは自由な楽器です!
ここまで、細かくカホンの演奏方法について説明してきましたが、それにとらわれ過ぎなくて大丈夫です。
カホンは自由な楽器です。
「絶対にこうじゃないとダメ!」という事はありません。
演奏方法にとらわれ過ぎて、楽しく演奏できなければ、元も子もないので。
特に最初は、自由に楽しく音を鳴らして、リズムを刻んでいきましょう!